概要
赤外分光は、物質の同定や定量、低エネルギーの電子状態を知ることができる計測手法としてよく知られており、無機化合物から有機物まで幅広い物質に適応され、研究に利用されている。この赤外光源として放射光を用いた場合、極めて高い輝度を活用した赤外顕微分光が可能となる。SPring-8では、先端計測法の強力な手段の一つとして、高輝度性を活かした顕微性の向上を目指した研究開発を、赤外分光ビームラインBL43IRで遂行してきた。更に、赤外近接場分光法の開発に成功し、数百ナノメートルの空間分解能を達成した。
本ワークショップでは、このミクロからナノレベルでの赤外放射光分光の利用によって開拓される新たなサイエンスケースについて、物性研究を中心とする従来の利活用分野の枠を超え、議論を行い、新しい利活用分野の創成に道を拓く事を目的とする。プログラムは、利活用の新しい視点として、材料生成のプロセスや機能発現のメカニズムの解明などを加え、ナノ材料として注目されている機能性材料への応用の可能性について、理論家も交えて議論が展開されるよう企画した。
開催要項
開催日時
- 2013年3月11日(月)10:30-18:00
開催場所
- メルパルク大阪 5F カナーレ
アクセス
- 〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原4-2-1
- JR新大阪駅(南口・在来線口)を出て北出口より徒歩約5分
- http://www.mielparque.jp/osaka/access/
主催
- (公財)高輝度光科学研究センター
参加費
- 無料
定員
- 先着60名
申し込み方法
- 下記事務局まで、電子メールにてお名前、所属、メールアドレス、研究分野をお知らせください。
- irsr-ws@spring8.or.jp
- お知らせいただいた情報は、研究会開催目的以外には使用致しません。
申し込み締め切り
- 2013年3月7日午後3時
- 当日参加も受け付けます。
交流会
- 研究会の後、親睦と情報交換を兼ねた交流会を企画しております。
- 参加ご希望の方は、3月4日までに事務局(irsr-ws@spring8.or.jp)までご連絡下さい。
- 会費:3000から4000円
- 当日徴収します。場所は追って連絡します。
問い合わせ先
- (公財)高輝度光科学研究センター
- ワークショップ実行委員長 池本夕佳(ikemoto@spring8.or.jp)
- ワークショップ事務局(irsr-ws@spring8.or.jp)
- 〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
- TEL 0791-58-0832 FAX 0791-58-0830
プログラム
プログラム(PDF版)はこちら
- 10:30-10:35 開会挨拶
- 池本 夕佳(高輝度光科学研究センター)
- 10:35-11:05 「赤外放射光を光源とした分光測定の現状と今後の展望」
- 池本 夕佳(高輝度光科学研究センター)
- 11:05-11:30 「赤外顕微分光による物性研究:これまでの成果と今後の取り組み」
- 岡村 英一(神戸大学)
- 11:30-12:00 「顕微光電子分光の現状と赤外分光との相補利用」
- 室 隆桂之(高輝度光科学研究センター)
- 12:00-13:30 昼食
- 13:30-14:10 「2次元無機ナノシートの合成と機能開発」
- 佐々木 高義(物質・材料研究機構)
- 14:10-14:40 「シリコンナノシートの合成と放射光を用いた物性評価」
- 中野 秀之((株)豊田中央研究所)
- 14:40-15:10 「振動円二色性分光法の金属錯体への応用」
- 佐藤 久子(愛媛大学)
- 15:10-15:20 休憩
- 15:20-15:50 「中赤外光ナノアンテナの作製と評価」
- 川上 彰(情報通信研究機構)
- 15:50-16:20 「メタマテリアル構造による新奇光機能と赤外分光への応用可能性」
- 石原 一(大阪府立大学)
- 16:20-16:40 「赤外線検出器の性能紹介」
- 朝倉 雅之(浜松ホトニクス株式会社)
- 16:40-17:40 SPring-8赤外放射光を活用した機能性材料開発の方向性について(総合討論)
- 17:40-17:50 閉会挨拶
- 高尾 正敏(大阪大学)