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SPring-8ユーザ協同体(SPRUC)研究会


研究会の名称

不規則系機能性材料研究会

研究会連絡先(問い合わせ窓口)

氏名: 北村 尚斗 / 東京理科大学
住所: 〒278-8510 千葉県野田市山崎2641
電話: 04-7122-9495
email: naotok(at)rs.tus.ac.jp

研究分野

物質基礎 ・ 物質応用 ・ 計測

関連するビームライン

BL01B1, 04B2, 08W, 12XU, 13XU, 35XU, 37XU, 43LXU, 44B2, 47XU

研究会の概要、活動目標・目的

本研究会は、ガラスや液体、あるいは局所的に原子配列に乱れを含んだ結晶や構造に不均質性がある材料など、Braggピークの有無に依らない”不規則さ“を構造に内包した物質すべてを研究対象とする。これら不規則系物質に対しては、従来の結晶構造解析とは異なる概念に基づいた実験・解析手法が必要であり、専門の研究グループを形成することが重要となってくる。本研究会の活動目的は、SPring-8/SACLAにおける不規則系物質研究のプラットフォームとして、基礎から応用までの幅広い研究の活性化・支援を産業界とも連携をとりつつ推進することである。
 本研究会における研究手法の柱は原子スケールからナノスケールでの静的構造を観測できる二体分布関数(PDF)解析である。SPring-8の特徴である高輝度・高エネルギーの放射光を利用したX線回折実験によって高い実空間分解能を有したPDFを高精度かつ高いスループットで測定・解析することが可能となる。さらに、XAFSやX線異常散乱といった元素選択的な構造測定、X線小角散乱によるナノ?サブマイクロ領域の測定もSPring-8にて実施する。そして、これらの放射光データを中性子、電子回折データと相補利用し、逆モンテカルロ(RMC)法や分子動力学(MD)法、第一原理計算などのシミュレーション手法を組み合わせることで、不規則系物質の精細な構造決定を原子・電子レベルで行い、材料の機能や物性との相関を解明していく。また、従来の二体相関の解析では捉えられない不規則系機能性材料のトポロジーに着目した構造解析や機械学習などのデータ科学的アプローチを積極的に活用した研究を展開する。静的構造の研究を推進する一方で、不規則系物質のダイナミクス研究も本研究会の重要な柱として取り組んでいく。非弾性X線散乱法やガンマ線準弾性散乱法により、サブピコ秒から数百ナノ秒程度の原子の運動を調査することで、静的構造=スナップショットだけでは分からない情報を抽出し、物性の理解に役立てていく。得られた基礎的知見を系統的に理解することにより、実際の機能性材料開発へと活かしていくことを本研究会活動の最終目的とする。
 具体的な活動内容としては、年1回以上の研究会合を主催し、新規研究内容や手法に関する情報共有を行うと同時に、ユーザーの意見や要望などを集約する。さらに、PDF解析を中心とした非晶質・結晶およびその境界を対象とする実験・解析技術に関する情報提供する講習会を開催し、企業関係者を含む新規利用者の開拓を行う。また現在進行中のSPring-8のアップグレードにおいて、上記複数の構造解析手法の高度化を目指すことも重要な活動であり、具体的な実験技術の開発を施設側とも連携して進めていく。以上の活動は日本国内のみに留まらず、海外の量子ビーム施設あるいはユーザーグループとの交流を図り、不規則系材料の研究基盤がないアジア諸国における材料研究者と連携することにより、本研究会の国際的な位置づけを明確にしつつ、世界をリードしていく。



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