研究会の名称
放射光赤外研究会
研究会連絡先(問い合わせ窓口)
氏名: | 岡村 英一 |
住所: | 〒770-8506 徳島市南常三島町2−1 |
電話: | 088-656-9444 |
email: | ho (at) tokushima-u.ac.jp |
研究分野
計測
関連するビームライン
BL43IR
研究会の概要、活動目標・目的
本研究会では、
- 赤外放射光を用いた研究の更なる拡大と発展
- 赤外・テラヘルツ領域の様々な光源を用いた研究との連携
SPring-8の赤外ビームラインBL43IRは遠赤外から近赤外の波数100∼10000 cm-1(波長1〜100 μm)をカバーし、このスペクトル領域では従来の赤外光源(高温物体からの黒体輻射)に比べて2桁以上高い輝度を有する。この高輝度性を活かした顕微赤外分光や、高圧・強磁場などの極限環境での赤外分光実験が行われている。応用分野としては物性物理、化学、生物、材料科学、考古学、医学など幅広い範囲にわたっている。また、赤外放射光の高輝度性と近接場光学を組み合わせた赤外近接場顕微分光や、超伝導磁石を組み合わせた赤外磁気円2色性実験など、先端計測開発も行なっている。本研究会を基盤として従来行ってきた普及活動により、BL43IRの利用分野は拡大しており、多数の成果を創出している。第5期では、湿度調整環境下におけるナノ物質の顕微赤外分光など、新しい対象の赤外放射光利用研究が進展した。以上を受けて、第6期においても赤外放射光の利点を活かした研究対象のさらなる開拓を図る。また、国内の赤外放射光利用施設、赤外FEL利用施設との連携を強化し、横断的利用を推進する。
また、SPring-8のみならず世界の多くの放射光施設で検討されている次世代低エミッタンス・リングでは、光の取り込み角が制限されるため赤外領域の利用は大きな影響を受けることが予想される。これに関して本研究会では、赤外放射光分野の国際会議WIRMS (International Wrokshop on Infrared Microscopy and Spectroscopy with Accelerator Based Sources)や放射光学会等の国内・国際会議において、情報交換、発信に努めてきた。第5期では、2021年に上記WIRMSが14年ぶりに日本で開催される予定であったが、コロナ禍により2022年9月に延期となった。また、赤外からテラヘルツ領域では放射光に加えて自由電子レーザーや各種テーブルトップ・レーザーなど、多様な高輝度・高強度光源が利用されている。そこで本研究会では、これらの光源を開発・利用する研究者との情報交換も積極的に行っている。その一環として第5期では、KU-FELユーザーミーティングに参加し、赤外放射光とは相補的な加速器光源である赤外FELを使った研究者との議論を行った。第6期においても同様の活動を継続し、まずは2022年9月に広島で、本研究会副代表の池本を組織委員長としてWIRMS 2022を開催する。これにより、コロナ禍で停滞していた当該分野の世界的な情報交換を格段に進め、内外の多様な研究者との議論や共同研究を推進する。