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SPring-8ユーザ協同体(SPRUC)研究会 |
研究会の名称 放射光赤外研究会
研究会の概要、活動目標・目的 赤外分光は、分子振動や格子振動を通じて、物質の同定や定量を行い、また、低エネルギーの電子励起を通じて物質の電子状態を知ることができる計測手法である。赤外分光測定は、無機、有機材料を含めて幅広い物質に適応され、多くの研究に利用されている。赤外分光の光源として放射光を用いた場合、赤外分析に通常用いられる中赤外領域のみならず、より波長の長い遠赤外領域を含む広い帯域に渡って、高い輝度と偏光特性を持つ赤外光の利用が可能となる。また、SPring-8の他のビームラインで行われている測定手法と相補的に実験を行うことにより、多角的な議論の展開が可能となる。SPring-8の赤外利用に関しては、先端計測法の強力な手段の一つとして、高輝度性を活かした顕微性能向上のための研究開発を遂行してきた。更に、赤外近接場分光装置の開発に成功し、数百ナノメートルの空間分解能を達成した。本研究会は、赤外放射光の先端利用に関する情報を会員同士で共有し、他のSPRUC研究会と連携をはかりながら情報発信することで、赤外放射光の利用を最大化することを目的としている。測定手法をキーワードにした本研究会は、物性物理、化学、地学、薬学、考古学、環境科学など幅広い分野の研究者が集う。既に、SPring-8で行われている様々な測定手法と相補的に赤外を利用しているユーザーも多い。本研究会を赤外利用のベースとして位置づけながら、他の多くの研究会と連携、情報交換を行う。これにより、現在赤外ビームラインで行われている、ミクロからナノレベルでの赤外放射光分光装置の活発な利用が促され、新たなサイエンスの開拓・創成に寄与することが期待される。 |