SPring-8ユーザ協同体(SPRUC)研究会

研究会の名称

機能性材料ナノスケール原子相関研究会

研究会連絡先(問い合わせ窓口)
氏名: 小野寺 陽平
住所: 〒590-0494 大阪府泉南郡熊取町朝代西2丁目1010
電話 : 072-451-2423
e-mail: y-onodera(at)rri.kyoto-u.ac.jp

研究分野

物質基礎・物質応用

関連するビームライン

BL04B2, BL15XU, BL13XU, BL01B1

研究会の概要、活動目標・目的

本研究会はセラミックスを中心とした機能性材料(ガラス、ナノ粒子、ナノ構造材料など)や液体を研究対象とし、材料の機能発現に深く関わる原子レベルからナノスケールまでの構造情報を解明し、ブラッグピークの有無に依存しない二体相関およびそれを超えたスケールの新しいサイエンスを展開することを目的として設立された。そのため、本研究会では、世界最先端の放射光光源を利用した実験設備・関連技術の高度化、実験と大規模理論計算の併用による材料の原子・電子レベルでの構造研究、物性と構造を結びつける新しい解析手法の開発を主な活動目標として推進している。また、研究会の活動を基礎研究の深化のみに限定せず、実用材料への展開および応用研究の促進を視野に入れ、新しい解析手法の普及へ向けた活動を行うとともに材料科学的な視点を基軸とした産学間の相互交流の場を提供し、最先端研究を介した産業への貢献を行うことも本研究会の目指すところである。さらには、機械学習や人工知能といったデータ科学の援用を視野に入れ、異分野交流も推進している。本研究会ではSPring-8を含めた放射光施設や中性子施設等の利用を実施あるいは検討している産業界の研究者の入会を広く歓迎し、企業における材料研究へのSPring-8/SACLA利用の促進と普及を図ることも重要な目的の一つとして掲げている。

 上記の活動目標を達成するとともに、将来のガラス・セラミックス材料研究の中核を担うべき新しいビームラインをデザインすることも、本研究会の取り組むべき課題としている。とくに、SPring-8次期計画を考慮した新規ビームラインの検討は、将来、本研究分野が海外施設に先駆けて傑出した研究成果を創出していく上で非常に重要と考えている。次期計画実施後は高エネルギーX線強度が著しく減少することが予想されるため、全散乱と異常散乱の両方を測定することが可能な挿入光源ビームラインを新たに建設することが将来的には必須と考えられる。ゆえに、本研究会ではBL04B2、BL13XUで培ってきた実験技術を基盤とし、他の研究会との積極的な技術交流を行うことで、研究会メンバーの研究対象に合わせて複数の実験手法(XAFS、全散乱、異常散乱)を切り替えて測定できる非周期系材料専用ビームラインの設置を目指し、その課題と計画を議論する。

定常的な活動としては、年に2-3回、本研究会メンバーを対象とした講演会や研究発表討論会の開催を計画している。その中で、BL04B2をはじめとしたSPring-8での実験・解析技術に関する情報提供、講習会を実施し、新規利用者の開拓と技術的サポートの充実を通して、SPring-8利用の促進と原子レベルからナノスケールでの構造解析の普及を行う。また、研究会開催時にはビームライン利用者間の情報交換と研究協力の活性化を積極的に図り、専用ビームライン建設へ向けて、ユーザーグループが主体となってデータ科学をはじめとする異分野との連携をすすめつつ、大型外部資金を獲得するための議論の場とする。さらに、国際交流を深めるとともに、本研究会が国際的競争力をつけ、日本がこの分野を牽引していくことを目指して活動を行っていく。


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