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1999年04月07日
平成11年4月5日(月)日本時間20時07分に起きたマグニチュード7.4のパプアニューギニア沖の地震を、同 20時15分と20時30分の2度に渡り、SPring-8蓄積リングで電子ビームの周長変化を観測した。
平成11年4月7日
財団法人高輝度光科学研究センター
平成11年4月5日(月)日本時間20時07分にパプアニューギニア沖でマグニチュード7.4の地震がありました。SPring-8蓄積リングで同 20時15分に、最初の電子ビームの周長変化を観測し、続いて同20時30分に第二波の周長変化を観測した(図-1および図-2参照)。 最初の変化は周長1,436 mに対して2ミクロン(μm)程度、第二波の変化は5ミクロン程度であった。最初の変動が縦波、第二波が横波であると考えられ、これから計算した震源までの距離は、SPring-8から約5,000 kmで、パプアニューギニア沖までの距離とほぼ一致する。USGS (United States Geological Survey) が予想した同地震の日本到達時間ともほぼ一致する。また、気象庁に確認したところ、当地震の日本到達時刻は20時15分であった。 これらのことから、今回観測した変動が数1,000 km離れた場所で発生した地震の微小震動によるものであったといえる。今回のこの観測は、今後測定精度をさらに改善することにより、直径500 mの蓄積リング内を周回する電子ビームが、地球科学と宇宙科学に対して新しい知見を見いだす検出器として利用できる可能性を示したといえる。
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<参考資料>
図-1 地震波の観測
図-2 拡大図
<本件に関する問い合わせ先> (財)高輝度光科学研究センター 加速器部門 熊谷 教孝 Tel:0791-58-0861/Fax:0791-58-0870
<SPring-8についての問い合わせ先> (財)高輝度光科学研究センター 広報室 原 雅弘 E-mail:hara@spring8.or.jp Tel:0791-58-2785/Fax:0791-58-2786
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