コレステロール代謝のメカニズム解明 ― 転写因子SREBP-2と輸送因子インポーチン-βとの複合体の結晶構造 ―(プレスリリース)
- 公開日
- 2003年11月28日
- BL44XU(生体超分子複合体構造解析)
平成15年11月28日
大阪大学
コレステロール代謝に関わる重要な転写因子SREBP-2 (sterol regulatory element binding protein-2)は、細胞質で二量体を形成した後、輸送因子であるインポーチン-βに結合することで核内に運ばれ、コレステロール代謝に関わる遺伝子の発現を調節する(下図参照)。大阪大学大学院の米田悦啓・教授および大阪大学蛋白質研究所の月原冨武・教授らの研究グループは、大型放射光施設(SPring-8)の生体超分子複合体構造解析ビームラインBL44XUのX線を利用して、転写因子SREBP-2と輸送因子インポーチン-βとの複合体の結晶構造を解くことに成功した。これは、世界で初めて、細胞にとって重要な転写因子を核へ輸送する仕組みを結晶構造レベルで解いたことになり、輸送因子インポーチン-βが蛋白質を核へ輸送する様式、つまり、核への蛋白質輸送の仕組みの原型を明らかにすることができたと考えられるともに、この成果を利用することによって細胞内コレステロール代謝を調節できるような創薬にもつながる可能性を秘めた興味深い研究成果である。 この研究成果は、米国の学術誌 Science(11月28日号)に掲載されました。 |
<本研究成果に関する問い合わせ先> 大阪大学 蛋白質研究所 教授 月原冨武 <SPring-8についての問い合わせ先> |
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