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2006年03月01日
- NASAのStardust計画とSPring-8 -
平成18年3月1日
(財)高輝度光科学研究センター
NASA(アメリカ航空宇宙局)で進行中の「Stardust計画」で、宇宙から持ち帰られた彗星塵試料の解析の一端をSPring-8が担うことになりました。
アメリカNASAにより進められているStardust計画は、無人探査機による彗星塵のサンプルリターン計画です。1999年2月に打ち上げられた探査機は、Wild-2短周期彗星からの彗星塵試料の採取(2004年)を成功させ、2006年1月に地球に無事に帰還しました。 彗星はその構成成分から、太陽系最古の情報を保持する起源物質としての特徴を持ち続けている天体であると考えられています。地球環境の汚染を受けていない彗星塵試料を分析することにより、太陽系を作った原材料である固体物質とはどのようなものだったのか、それが太陽系の進化過程においてどのような変化を経て現在に至ったのか。などという事に関して、新しい情報が得られる事が期待されています。彗星塵試料はエアロジェルという超低密度なスポンジ状のSiO2ガラスを用いて捕獲されました。 持ち帰られた彗星塵試料は、アメリカを中心とした国際的なメンバーで構成される初期分析チーム(PET: Preliminary Examination Team)が公募分析に先立ち、分析を開始しています。 彗星塵のような微小な試料(大きさは数ミクロン~数十ミクロン。質量はナノ(10億分の1)グラム程度)をX線を用いて分析するには、SPring-8のような放射光施設を用いるしかありません。 3月3日より、PETの一員である、九州大学 中村智樹 助教授・大阪大学 土`山明 教授・高エネルギー加速器研究機構 大隅一政 教授らは、回収された彗星塵試料の一部をSPring-8に持ち込み、彗星塵試料の構成元素、3次元構造、構成鉱物などの情報を得ることを目的として、SPring-8のBL47XU、BL37XU等で放射光X線を用いて蛍光X線分析、X線CT撮影、X線回折実験を行う予定です。
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<本研究に関する問い合わせ先> 九州大学 理学研究院 地球惑星科学部門 太陽惑星系物質科学 中村 智樹
大阪大学 大学院 理学研究科 宇宙地球科学専攻 土`山 明
高エネルギー加速器研究機構 大隅 一政
(財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 上杉 健太朗 e-mail: ueken@spring8.or.jp (注:@は全角表示になっていますので、実際にメールで使用するときは半角の@に変更してください。) TEL: 0791-58-0833 / FAX: 0791-58-0830
<SPring-8に関する問い合わせ先> (財)高輝度光科学研究センター 広報室 原 雅弘 e-mail: hara@spring8.or.jp TEL: 0791-58-2785 / FAX: 0791-58-2786
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