大型放射光施設 SPring-8

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大谷栄治教授(東北大学大学院)が2007年のN. L. Bowen Awardを受賞(トピック)

公開日
2007年12月25日
  • 受賞

実験岩石学の権威であるN. L. Bowenの名を冠したこの賞は、火山学・地球化学・岩石学の分野において優れた業績のある研究者に授与される賞で、1981年に創設されてから毎年1~2名が選ばれており、日本人としては初の受賞となります。

大谷栄治教授(東北大学大学院)

研究業績:
「Physical and chemical properties of Earth materials (particularly melts) under deep Earth conditions」
「地球深部条件における地球物質(特にメルト)の物理的・化学的性質」

【研究内容】
 地球内部のマントルに存在する水は、マントルを構成する珪酸塩鉱物の物理・化学特性に大きく影響を及ぼすため、地球深部物質を研究する上で欠かすことのできない非常に重要な要素である。
 大谷教授のグループは、SPring-8の高輝度X線回折を用いた高温高圧下における含水珪酸塩鉱物の実験的研究により、マントル構成鉱物の相平衡関係および鉱物の相転移に及ぼす水の影響を解明し、地球内部の水の挙動について明らかにしてきた。また同グループはX線吸収法を用いて、珪酸塩マグマおよび鉄合金融体の高温高圧下における密度を精度よく測定することにも成功し、メルトの密度に対する温度・圧力の効果についても解明している。

【受賞理由】
 大谷教授が長年にわたって取り組んできた超高温高圧下における地球内部物質の物理的・化学的性質に関する研究により、地球内部における水・マグマの果たす重要な役割が明らかとなった。その中でも特に放射光X線を用いた含水鉱物の相平衡関係と珪酸塩メルトの物性測定といった先駆的な研究が国際的に高く評価された。