SACLAが新しいビームラインの共用を開始 ―世界初 複数のXFELビームラインが稼働する施設に―(プレスリリース)
- 公開日
- 2015年06月08日
- SACLA BL2
2015年6月8日
理化学研究所
高輝度光科学研究センター
理化学研究所(理研)、高輝度光科学研究センター(JASRI)はX線自由電子レーザー(XFEL:X-ray Free Electron Laser)[1]施設SACLA[2]の新しいXFELビームライン「BL2」の共用運転を、2015年4月17日に開始しました。これによってSACLAは、複数のXFELビームラインが同時に稼働する世界初の施設となりました。 <理研放射光科学総合研究センター 石川哲也センター長のコメント> |
SACLAの光源棟内部の様子。右が既存XFELビームラインであるBL3、左が新規XFELビームラインであるBL2のアンジュレータ。SACLAの全長約700mのうち、光源棟は約240mを占める。100mを超える長さに渡って、BL2、BL3それぞれのアンジュレータがマイクロメートルレベルで超精密調整されている。
ユーザー利用実験中のSACLA BL2の運転状況(図は2015年4月19日17時の時点)。上図よりXFEL光の波長が7.8KeV=0.158nmにおける出力(Pulse Energy)が、1パルスあたり110.1µJであることが分かる。また、下図の青い線が100µJ付近に集中していることから、出力の安定したXFEL光を供給していることが分かる。
《補足説明》
(1) X線自由電子レーザー(XFEL:X-ray Free Electron Laser)
近年の加速器技術の発展によって実現したX線領域のパルスレーザー。従来の半導体や気体を発振媒体とするレーザーとは異なり、真空中を高速で移動する電子ビームを媒体とするため、原理的な波長の制限はない。
(2) SACLA
理化学研究所と高輝度光科学研究センターが共同で建設した日本で初めてのXFEL施設。科学技術基本計画における5つの国家基幹技術の1つで、2006年度から5年間の計画で建設・整備された。2011年3月に施設が完成し、SPring-8 Angstrom Compact free electron LAserの頭文字を取ってSACLAと命名された。2011年6月に最初のX線レーザーを発振、2012年3月から共用を開始した。0.1ナノメートル以下という世界最短波長のX線レーザーを発振する能力を有する。
詳細はhttp://xfel.riken.jp/
《機関窓口・問い合わせ先》 <機関窓口> (SPring-8に関すること) |
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