SACLAが「SXFELビームライン」の共用運転を開始 ―軟X線FELと硬X線FELを同時に供給する世界初の施設を実現―(トピックス)
- 公開日
- 2016年07月25日
- SACLA
2016年6月25日
理化学研究所
高輝度光科学研究センター
理化学研究所(理研)、高輝度光科学研究センター(JASRI)は、X線自由電子レーザー(XFEL:X-ray Free-Electron Laser)施設[1]SACLA[2]の「SXFELビームライン」について7月15日に初のユーザーによる利用研究課題を実施しました。 |
<関連プレスリリース>
2006年6月22日 プレスリリース
「X線自由電子レーザー(XFEL)試験加速器からレーザー光の発振に成功」
2008年7月28日 プレスリリース
「新しい科学技術を創る小型自由電子レーザー」
2011年6月7日 プレスリリース
「夢の光をついに実現」
2012年6月25日 プレスリリース
「コンパクトXFEL」SACLAの有用性、世界が認識
2015年6月8日 トピックス
SACLAが新しいビームラインの共用を開始
2016年4月26日 トピックス
SACLAで「SXFELビームライン」が稼働
《補足解説》
*1 X線自由電子レーザー(XFEL:X-ray free electron laser)
近年の加速器技術の発展によって実現したX線領域のパルスレーザー。従来の半導体や気体を発振媒体とするレーザーとは異なり、真空中を高速で移動する電子ビームを媒体とするため、原理的な波長の制限はない。
*2 SACLA
理化学研究所と高輝度光科学研究センターが共同で建設した日本で初めてのXFEL施設。科学技術基本計画における5つの国家基幹技術の1つで、2006年度から5年間の計画で建設・整備された。2011年3月に施設が完成し、SPring-8 Angstrom Compact free electron LAserの頭文字を取ってSACLAと命名された。2011年6月に最初のX線レーザーを発振、2012年3月から共用を開始した。0.1ナノメートル以下という世界最短波長のX線レーザーを発振する能力を有する。
詳細はhttp://xfel.riken.jp/
*3 軟X線FEL、硬X線FEL
軟X線FELとは波長が0.3~数10nm付近の軟X線領域の自由電子レーザー、硬X線FELとは波長が0.3nm以下と軟X線より短い硬X線領域の自由電子レーザー。レーザーを用いる実験では試料のサイズや特性に応じて最適な波長のレーザーを用いる。工業的に重要な触媒等、軟X線領域での観察に適した試料も多く存在する。
*4 SCSS試験加速器
SACLAのプロトタイプ機として、SPring-8サイトに建設された小型の自由電子レーザー装置。2006年に真空紫外光のレーザー発振に成功し、加速器・光源・利用の各方面について、様々な試験研究が実施された。2013年5月に運転を休止した。SCSSは、「SPring-8 Compact SASE Source」の略。SASEは自己増幅自発放射(Self Amplified Spontaneous Emission)を意味し、反射鏡を使わずに光を増幅してレーザー発振を得る方法を指す。
【問い合わせ先】 <機関窓口> (SPring-8に関すること) |
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