高輝度のRF電子銃、およびDC電子銃の分野でのビームシミュレーションについては、PARMELA、EGUN等の既存コードを用いている方が大部分ではあります。しかし、特に空間電荷効果やウェーク場等において、各既存コードが確立されたものにはなっていない現状があります。このため、世界ではシミュレーションコードの開発が盛んに行われているところです。 日本国内においても、数は少ないもののコードの開発をされている方がおられますが、これまで、相互の交流が欠如していた感は否めません。そこで、これら分野の専門の方々に集まって頂き、各自のコードの成果、問題点を議論できる研究会を企画いたしました。 この研究会の主な趣旨は以下のようなものです。
1. RF電子銃とDC電子銃に関するビームシミュレーション、およびその関連技術を対象とする。 2. 各自のコードの紹介、特徴を発表する。特に、問題点があれば言及する。 3. 各自のコードと、実験における測定値が一致するかどうかについて、発表できる方は言及し、それについて議論を行う。 4. 既存コードを使用している方で上記1.2.に類する発表が出来る方にも、積極的に発表していただく。
また、もう一つの趣旨として、各コードの比較を行うためのベンチマークテスト課題を設定したいと考えています。これは、研究会プログラム中にベンチマークテスト用の設定課題を議論する場を設け、その課題について、研究会終了後、各コードで計算を行って比較検討するというものです。いわば、宿題付の研究会となるわけですが、これにより、各コードの問題点が明らかとなり、各自の研究推進の一助、およびこの分野の進展に貢献するのではないかと期待しています。コードについては、自作のコードには限りません。課題としては概略以下のようなことを考えています。
1. ある実験施設での実験結果を課題として設定する。 2. シミュレーションコードの問題点が明らかとなるような単純な系を課題として設定する。 3. ビームエンベロープ方程式等、解析的結果が導かれているものを課題として設定する。
実験結果を課題として提示していただける方、または、解析的な立場から課題を提示して頂ける方も募集いたします。
研究会は、おおよそ次のように予定しており、二日目午後は、希望者に京大FELを見学していただけます。
・日時: 2006年12月7日 13:30~ 2006年12月8日 12:00くらいまで。 懇親会は7日、京大FEL見学は8日を予定。 ・場所: 京都大学宇治キャンパス ・発表について: 人数にも因りますが、一人30分から40分程度 ・ベンチマークテストについて: 研究会終了後、半年以内でまとめを出せるようなものとする。 ・参加料: 無料(懇親会は実費を頂きます)
研究会幹事 京都大学理工学研究センター 増田 開 高輝度光科学研究センター 水野 明彦
|