概要 |
日時:2009年5月14日(木) 13:30-14:40
場所:普及棟中講堂
Speaker:石原一教授
Affiliate:大阪府立大学大学院工学研究科電子物理工学分野
Title:ナノとマクロを繋ぐ光学応答
Abstract:
物質素励起の波動関数における空間広がりは光波長に比べて通常十分狭く、後者の空間構造は無視できるという「長波長近似」の考え方は、固体光物性、光化学、量子光学など「物質と光の相互作用」を取り扱うほとんどの分野で光学応答の標準的記述法を与えてきた。しかし近年、ナノ、サブマイクロ構造の高度な作製・制御技術により、励起波動がミクロスケールを越えて広域に広がる状況が容易に実現されるようになってきた。このような状況ではミクロ自由度とマクロ自由度の階層を跨ぐインタープレイが起こり、長波長近似では理解できない特異な光学現象が現れる[1][2][3]。本講演前半ではこの問題を取り扱い、ナノからマクロへのクロスオーバー領域で生じる特異な光学応答の研究例を紹介する。
後半では、最近始まった、ナノ構造のミクロ自由度とマクロな運動をリンクさせるナノ光マニピュレーションの研究[4][5][6]についてその一例を紹介する。
References
[1] H. Ishihara et al., Phys. Rev. Lett. Vol. 89, 017402 (2002)
[2] A. Shouji et al., Phys. Rev. Lett. Vol. 92, 257401(2004)
[3] M. Ichimiya et al. J. of Luminescence Vol. 128, 1062 (2008)
[4] T. Iida and H. Ishihara, Phys. Rev. Lett. Vol. 90, 057403 (2003)
[5] T. Iida and H. Ishihara, Phys. Rev. Lett. Vol. 97,117402 (2006)
[6] T. Iida and H. Ishihara, Phys. Rev. B Vol. 77, 245319 (2008)
担当者:
JASRI
池本夕佳
PHS:3450
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