大型放射光施設 SPring-8

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SPring-8文化財研究会 第1回講演会

副題/演題 SPring-8ワークショップ:放射光と文化財科学
開催期間 2011年09月12日13時00分から17時00分まで
開催場所 (財)大阪科学技術センター8F 小ホール 〒550-0004 大阪市西区靱本町1-8-4
アクセス 地下鉄四つ橋線「本町」駅より徒歩3分または、地下鉄御堂筋線「本町」駅より徒歩7分
http://www.ostec.or.jp/data/access.html
主催 SPring-8利用者懇談会文化財研究会
共催 財団法人高輝度光科学研究センター
SPring-8利用推進協議会 研究開発委員会
形式 普及・啓蒙(研修会)
概要

開催趣旨
 SPring-8利用者懇談会 文化財研究会(代表 中井 泉)は、財団法人高輝度光科学研究センター(理事長 白川 哲久)と共同で、第1回講演会を来る9月12日(月)に大阪科学技術センター(大阪市)において開催します。
 文化財科学研究への放射光の活用をさらに広め、効果的且つ高度な利用を進めるには、「夢の光」を提供する放射光施設の関係者と文化財研究者を近づけ、双方の情報交換を密接にすることが不可欠です。先般発足した文化財研究会は、こうした大型放射光施設SPring-8側と文化財科学研究者双方のコミュニケーションを密にするのみに留まらず、学会や専門分野に囚われない研究者相互の情報交換の場を提供することにもなると期待しています。
 本講演会は文化財研究会の最初の活動として開催するもので、SPring-8での研究成果を紹介するとともに文化財科学における放射光の役割などについても議論し、欧米の放射光施設での研究事例も紹介いたします。なお、講演会は広範囲の文化財研究者を対象としていますが、研究者に限らず、文化財の科学研究あるいはSPring-8放射光の利用に関心の高い方にも是非お聞きいただきたいと考えています。

〈プログラム〉

  13:00-13:05     開始挨拶
鈴木 謙爾(東北大名誉教授)
  13:05-13:55    「放射光と文化財科学」
中井 泉(東京理科大学)
放射光を用いると、文化財資料の内部を透視したり(X線CT)、元素組成を高感度に調べたり(蛍光X線分析)、顔料などの結晶相の同定(X線回折)や状態分析(XAFS)により着色メカニズムを解明するなど、文化財の産地、製造技術等に関するさまざまな情報を、高感度にしかも大型資料も非破壊で分析することができます。講演では、九谷の古陶磁の産地推定、古代エジプトのモザイクガラスの着色技術の解明など、いくつかの実例をとおして放射光X線分析の魅力をご紹介します。
  13:55-14:45    「放射光利用によるバーミヤーン壁画研究」
谷口 陽子(筑波大学)
バーミヤーン仏教遺跡(5世紀初頭から9世紀末)には、中国、イランおよび地中海世界、インドと遊牧文化、オアシス世界等さまざまな地域との交流の影響の痕跡が残されており、壁画にも技法的、材料的な変容が見られます。微小領域に絞ったビームでも高いS/N値が得られる放射光を用いたµXRF, µXRDの同時分析、µFTIR分析を組み合わせることによって、複数の数µメートル厚の彩色層を重層的に持つ壁画試料を、層毎に分析することが可能となりました。とくに、同じ個所をµXRF/µXRDによって同時測定することにより、層中の個々の顔料粒子の同定ができるところが、彩色文化遺産の研究において極めて有効性が高いと言えます。ESRF(欧州シンクロトロン放射光施設)において実施した分析のうち、最古の油彩技法の解明など東西交流の視点から得られた研究事例を紹介します。
  14:45-15:15     (休憩) 
  15:15-16:05    「金属材料科学史と放射光」
村上 隆(京都国立博物館)
  16:05-16:55    「SPring-8による文化財木製品調査」
杉山 淳司(京都大学)
樹木は長年生き、生物としての寿命を終えてもなお、木材として我々の生活を支えてくれています。資源の乏しい中で、日本人は適材適所の木づかいを実践し、そのために必要な技術の継承にもつとめてきました。文化財の中でも木造が豊富なことは、我が国特有の文化といえます。私は、樹種を特定する技術に興味が在り、非破壊検査が原則とされる文化財や、過度に劣化した木製品等の調査のために、シンクロトロン放射光を利用した高解像度のCT技術に注目してきました。その能力と可能性、さらに仏像、面、楽器などの文化財木製品への応用例をお話します。
  16:55-17:00     終了挨拶
山川 晃(JASRI)

 

定  員:70名程度 (定員になり次第,締め切らせて頂きます)
参 加 費:無料(配布資料あり)
申込方法:2011年9月5日(月)17時をもちまして、締め切りました。
申込締切:2011年9月5日(月)17時をもちまして、締め切りました。

[問合せ先]
事務局
(財)高輝度光科学研究センター(JASRI) 研究調整部 研究業務課 當眞・中塚

〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
TEL 0791-58-0924、FAX 0791-58-0830
E-mail workshops@spring8.or.jp

問い合わせ先 事務局:(財)高輝度光科学研究センター(JASRI) 研究調整部 研究業務課 當眞・中塚
0791-58-0924
0791-58-0830
最終変更日 2011-12-26 10:37