大型放射光施設 SPring-8

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SPring-8 Seminar (第226回)

副題/演題 量子臨界点近傍でのYb系金属間化合物の特異物性
開催期間 2013年06月26日 (水) 15時00分から16時00分まで
開催場所 上坪講堂
主催 (公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
形式 レクチャー(講演)
概要

Speaker : 海老原 孝雄

Language : 日本語

Affiliation : 静岡大学大学院理学研究科 准教授

Title : 量子臨界点近傍でのYb系金属間化合物の特異物性

Abstract :
重い電子系と呼ばれる希土類・アクチナイド化合物では、局在的なf電子同士の間接相互作用であるRKKY相互作用と、f電子に遍歴性を獲得させるKondo効果の2つの相互作用が競合している。上記2つの相互作用が拮抗するところは、量子臨界点(Quantum Critical Point:QCP)と呼ばれ、QCP近傍では新奇な超伝導や非フェルミ液体状態を含む特異な物性が見出されている。QCP近傍での電子状態を説明する確立したモデルはなく、Spin-Density-WaveシナリオやLocal-Criticalシナリオが提唱されるとともに、Valence Fluctuationシナリオが上述の2シナリオと競合もしくは併存するとの理論的提案も、近年されている。
QCP近傍での特異物性についての研究は、これまでCe化合物において強く推進されてきた。一方で近年、YbAlB4における超伝導と量子臨界性の発見や、YbRh2Si2で量子臨界点近傍に位置することで特徴的に現れる非フェルミ液体状態の報告があり、Yb系での物質開発と量子臨界点近傍での特異物性観測に注目が集まっている。本講演では、非フェルミ液体状態を示しLocal-Criticalシナリオの成り立つ好例として強く主張されているYbRh2Si2をとりあげてレビューするとともに、独自に育成したYbRh2Si2試料を用い、X線吸収で決定したYb価数の温度依存性と磁場依存性の結果とを比較検討する。

担当者 : 水牧 仁一朗
Mail : mizumaki@spring8.or.jp
PHS : 3870

問い合わせ先 JASRI 研究調整部 研究業務課 SPring-8セミナー事務局 垣口 伸二、吉川史津
0791-58-0949
0791-58-0830
spring8_seminar@spring8.or.jp
最終変更日 2015-05-01 15:29