大型放射光施設 SPring-8

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SPring-8 Seminar (第232回)

副題/演題 XANES解析多重散乱プログラムMXANの有用性、並びに球ポテンシャル近似を超えたフルポテンシャル多重散乱プログラム(FPMS)について
開催期間 2014年03月24日 (月) 10時00分から11時00分まで
開催場所 上坪講堂
主催 (公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
形式 レクチャー(講演)
概要

Speaker : 畑田 圭介

Language : 日本語

Affiliation : research fellow、University of Camerino, XAS laboratory

講演題目 : XANES解析多重散乱プログラムMXANの有用性、並びに球ポテンシャル近似を超えたフルポテンシャル多重散乱プログラム(FPMS)について

講演アブストラクト :
XAFSを用いた構造解析ではEXAFSは非常に強力かつ有用な方法であり広く用いられている。散乱理論に基づくと、自由グリーン関数の原子間位置情報のみでEXAFS振動構造がほぼ記述出来るため、我々が開発しているGNXAS(ジーエヌザス)の様なプログラムを用いる事により安価な労力で正確な構造解析が出来る。
極短時間XAFSや溶液系ではEXAFS領域はノイズが大きくなる為に奇麗な振動構造を得る事は実験的に困難になる。反して吸収端近傍のスペクトルであるXANESは、スペクトルの構造が大きい為にそのような応用に向いている。吸収端から100~200eVまでスペ クトルをみると、構造はほぼ自由グリーン関数の原子間位置情報のみで理解する事が出来る為に、散乱理論が有力な方法となる。EXAFSの場合は吸収原子からの距離すなわち一次元的な情報が支配 的だが、XANESでは三次元的な情報がそのまま反映される。原子種の違いによるスペクトルへの影響もXANESでは大きいために構造解析は複雑となる。
イタリア フラスカーティ グループと共に開発したXANES構造解析プログラムMXAN(エムクサン)は、多重散乱理論を元にXANESを計算し実験スペク トルとの比較により、吸収原子近傍の3次元局所構造を決定する。本講演ではまず溶液の錯体についてGNXASとMXANによる構造決定の違いを見る。次に金属タンパク質の構造解析への応用を示す。さらに時間分解XAFSの例としてpump & probeの構造解析についても示す。
多重散乱計算では通常球ポテンシャル近似(マッフィンティン近似)が用いられている。低次元系、ダイアモンド構造では近似が破綻し、実験結果の再現性が悪くなる。我々が開発したマフィンティン近似を超えたフルポテンシャル多重散乱理論を用いたFPMSプログラムにより、そのような系においても多重散乱計算によりよい一致が得られる様になった。本講演ではマフィンティン近似がどのような効果をXANESに及ぼすのか、またFPMSによる改善を示す。

担当者 : 本間 徹生、陰地 宏、高垣 昌史、崔 芸涛
Mail : honma@sprong8.or.jp, Oji-h@spring8.or.jp, takagaki@spring8.or.jp, yitaocui@spring8.or.jp
PHS : 3508, 3713, 3497, 3758

問い合わせ先 JASRI 研究調整部 研究業務課 SPring-8セミナー事務局 垣口 伸二、吉川史津
0791-58-0949
0791-58-0830
spring8_seminar@spring8.or.jp
最終変更日 2016-02-08 14:43