SPring-8利用制度について
公益財団法人高輝度光科学研究センター利用推進部
木下豊彦
SPring-8は1997年10月の供用開始以降、国内外・産学官に広く開かれた研究施設として、多種多様な研究分野において非常に多くの利用研究者に活用され続けている。供用開始当時は10本であったビームライン(BL)は現在56本が稼働しており、加速器を年間約5,000時間運転することにより、年間約1,800件の利用研究課題が、延べ約1万3千人の利用研究者により実施されている[いずれも2013年の実績値]。また、利用研究成果として、SPring-8利用に係る査読付論文発表数は年間800~1000報に達している。
現在SPring-8においては、申請のうえ審査・採択されれば利用できる共用BLが26本、提案のうえ設置が認められれば設置者自らが利用できる専用BLが19本、それぞれ稼働している。これら多数の共用・専用BLでは、BLごとに特徴のある仕様や測定装置や実験手法により、生命科学、物質科学、産業応用など様々な研究分野に活用されている一方で、利用研究成果を公開せず専有したい、学生等人材育成に活用したい、長期的・計画的にSPring-8を利用したい等、多数の利用形態ニーズも存在し、年々多様化している。これらニーズを踏まえつつ、多様化にも適切に対応するため、供用開始以降、利用制度は適宜変遷しているところである。本講演において、現時点でのSPring-8の利用制度およびその特徴等を紹介することにより、既にSPring-8を利用している方、これから利用を検討している方の利用ニーズにあった利用制度を是非見出していただきたいと考えている。
2015A期からは、社会・文化利用課題を領域指定型の課題として指定し、文化財研究者の方にはよりアクセスしやすい課題申請制度を整えた。また、大学院生が応募できる大学院生提案型課題(旧萌芽的研究支援課題)も募集している。
SPring-8で研究を行うには、まずは支援スタッフへの問い合わせを行い、打ち合わせを行った後に課題申請をしていただくことになる。その際に、上に述べた各種利用制度の中からニーズに合った課題を選んで申請していただくことになる。また、文化財研究者の方には、放射線作業従事者の手続きなど、面倒なこともあろうかと思うが、その助けとなるような情報も提供している。
以下のホーム―ページをご参照いただき、是非文化財研究に貢献する課題申請をご検討いただきたい。
SPring-8全般について
http://www.spring8.or.jp/ja/
お問い合わせ
http://www.spring8.or.jp/ja/about_us/manage_structure/contacts
課題申請について
http://www.spring8.or.jp/ja/users/procedures/
実際の課題申請を行うページ
https://user.spring8.or.jp/?p=475
放射線申請のための参考情報
https://harimariken01.spring8.or.jp/workers_reg_select.php
https://user.spring8.or.jp/?page_id=722
お問い合わせフォーム
http://www.spring8.or.jp/ja/science/academic/contacts/inquiry_form
その他、お問い合わせは以下利用推進部までお寄せください。
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
(公財)高輝度光科学研究センター 利用推進部
Tel: 0791-58-0961 Fax: 0791-58-0965
e-mail: uoffice@spring8.or.jp