開催要旨
放射光利用研究基盤センターでは、SPring-8で測定される分光スペクトル・散乱プロファイルあるいは画像データに対して、データ駆動科学を導入する試みを始めています。中でもベイズ推定に関してはいくつかの成果が得られています。この手法を水平展開し、BLでの課題解決に役立てていきたいです。さまざまなデータ駆動科学の手法があリますのでそれらの方法も駆使する予定です。本ワークショップの開催の目的は、日々測定や実験データ解析と格闘されている担当者の皆様に、データ駆動科学の概念をお伝えすることやその“思い”を共有していただくことです。さらに、BLに実装するメリットを感じていただくためです。
プログラム
「データ駆動科学によるデータ解析高度化」 |
13:00~13:05 |
はじめに |
JASRI放射光利用研究基盤センター長 田中 良太郎 JASRI放射光利用研究基盤センター副センター長 坂田 修身 |
13:05~13:30 |
「放射光科学におけるデータ駆動科学導入による解析高度化」 |
JASRI放射光利用研究基盤センター 水牧 仁一朗 |
13:30~13:45 |
「ベイズ推定導入による測定効率化」 |
JASRI放射光利用研究基盤センター 横山 優一 |
13:45~14:00 |
質疑 |
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14:00~14:02 |
終わりに |
JASRI放射光利用研究基盤センター副センター長 坂田 修身 |
Language: 日本語
Speaker: 水牧 仁一朗(JASRI放射光利用研究基盤センター)
横山 優一(JASRI放射光利用研究基盤センター)
<水牧 仁一朗> Title: 放射光科学におけるデータ駆動科学導入による解析高度化
Abstract:
近年のデータ駆動科学の技術発展は目覚ましい。その発展により、これまで解析が困難であったS/N比が低いデータであっても、有用な科学的情報をとることが可能となっている。また測定データのもつ情報を余すところなく抽出する試みも展開されている。このような技術を取り入れるメリットを感じていただくため、本講演ではデータ駆動科学の概念といくつかの技術を紹介する。
<横山 優一> Title: ベイズ推定導入による測定効率化
Abstract:
ベイズ推定導入による測定効率化として、BL08Wで測定された磁気コンプトン散乱プロファイルにベイズ推定を適用した事例について紹介します。磁気コンプトン散乱のシグナルは非常に弱く、十分なS/Nのデータを得るために長時間の測定が必要とされておりました。我々は、ベイズ推定によって散乱プロファイルを解析することで、物理量であるスピン磁気モーメントの事後確率分布を推定し、物理量の要求精度に到達した時点で測定を終了する枠組みを構築しました。この枠組みにより、スピン磁気モーメントの大きさを小数第2位の精度で求めるには従来の測定時間の20分の1で十分であることが実証され、大幅な測定効率化が実現すると期待されます。
担当者:JASRI 放射光利用研究基盤センター 水牧 仁一朗
e-mail:mizumakispring8.or.jp/PHS: 3870
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