高圧下での物質合成
問い合わせ番号
SOL-0000001278
ビームライン
BL04B1(高温高圧)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料 |
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B. 試料詳細 | 結晶 |
C. 手法 | X線回折 |
D. 手法の詳細 | 粉末結晶構造解析 |
E. 付加的測定条件 | 高圧(大型プレス), 応力付加、変形, 高温(>>500度) |
F. エネルギー領域 | X線(>40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 結晶構造, 構造変化, 相転移 |
産業利用キーワード
階層1 | 環境, 化学製品, 工業材料, その他 |
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階層2 | 触媒 |
階層3 | |
階層4 | 格子定数, 結晶構造 |
階層5 | 回折 |
分類
A80.20 金属・構造材料, A80.30 無機材料, A80.34 触媒化学, M10.20 粉末結晶回折
利用事例本文
高温高圧下のダイヤモンドの合成は、大きなサイズのダイヤモンド合成を目指してこれまでたくさんの研究が行われています。しかしながら、高圧下での触媒の役割や反応速度、準安定相の存在など、グラファイトからダイヤモンドへの生成過程におけるこれらの謎はいまだに解決されていません。大容量高圧プレス装置、SPEED-1500を用いたエネルギー分散型X線回折は、高温高圧下での触媒を用いたグラファイトーダイヤモンド生成過程を直接観察することのできる非常に有効な手法です。図に示すのは、グラファイトー炭酸塩触媒、K2Mg(CO3)2を用いて、高圧下で温度を上げたときのX線回折線の変化の様子です。1450℃で、グラファイトから準安定相の六方晶ダイヤモンドが現れ、1600℃以上になると立方晶ダイヤモンドのピークが観察されました。この結果から、ニッケルやコバルトなどの金属触媒と炭酸塩触媒とでは、ダイヤモンド生成過程が異なることがわかりました。
図 高圧下(9.3 GPa)でのグラファイトー炭酸塩触媒、K2Mg(CO3)2のX線回折パターンの昇温変化
画像ファイルの出典
所内報
誌名
Research Frontiers (1998-1999)
ページ
23
測定手法
図は、川井型大容量高圧プレス装置を用いたときのエネルギー分散型X線回折の概略です。偏向電磁石からの白色X線は、垂直、水平スリットによって典型的に0.05(垂直) x 0.1(水平) mm2に絞られます。エネルギー分散型X線回折用に、第1段アンビルにはX線が通る穴が開けられおり、白色X線はそこから第1段アンビルを抜けて、第2段アンビル間の水平方向の隙間を通り抜けます。高温高圧試料からの回折X線は、4096個のマルチチャンネルアナライザーを持つ純ゲルマニウム半導体検出器(SSD)で検出されます。このとき、20~150 keVまでエネルギーの回折データを得ることができます。ある回折角で固定されたコリメーター(0.05 mm幅)と受光スリットを通すことで、試料からの回折X線のみが検出されます。水平ゴニオメータは、0.0001°の精度で-10から23°までの回折角2θを移動できます。このシステムでは、だいたい数分間で1つの回折線を得ることができます。
図 川井型大容量高圧プレス装置を用いたエネルギー分散型X線回折の概略図
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BL評価レポート
ページ
14
測定準備に必要なおおよその時間
1 日
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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SPEED-1500 | 高温高圧実験 | 2500K、30 GPa |
参考文献
文献名 |
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J. Phys. Condens. Matter, 16, S1017(2004) |
関連する手法
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
測定の難易度
熟練が必要
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
2~3シフト