巨大磁気抵抗物質La2-xSr1+2xMn2O7のMn-3d 軌道状態
問い合わせ番号
SOL-0000001298
ビームライン
BL08W(高エネルギー非弾性散乱)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料 |
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B. 試料詳細 | 磁性体, 結晶性固体 |
C. 手法 | 非弾性散乱 |
D. 手法の詳細 | 磁気散乱, コンプトン散乱 |
E. 付加的測定条件 | 偏光(円、楕円), 低温(〜液体ヘリウム), 磁場(> 2 T) |
F. エネルギー領域 | X線(>40 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | 電子状態、バンド構造, スピン・磁性構造 |
産業利用キーワード
階層1 | 記憶装置 |
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階層2 | HD、MO |
階層3 | 磁性層, 磁気ヘッド |
階層4 | 電子状態, 磁化, 磁気異方性 |
階層5 | 磁気散乱, 磁気コンプトン散乱, PEEM |
分類
A80.14 磁性材料, M25.10 磁気散乱
利用事例本文
磁気コンプトン散乱測定は磁性電子の運動量密度分布を調べることのできるユニークな手法です。この手法を用いることで、磁性電子 のスピン磁気モーメントの大きさや、電子軌道に関する情報を測定することができます。各電子軌道ごとにプロファイルの形状は異なりますので、それぞれの軌道の占有数を求めることが出来ます。
図に示すのは、La2-2xSr1+2xMn2O7について測定した磁気コンプトンプロファイルです。この結果、この物質の複雑なフェーズダイヤグラムを説明することができた。。
La2-2xSr1+2xMn2O7 (x=0.35) の磁気コンプトンプロファイル
点が実験結果、線が各軌道の理論計算結果を示す。
[ A. Koizumi, S. Miyaki, Y. Kakutani, H. Koizumi, N. Hiraoka, K. Makoshi, N. Skai, K. Hirota and Y. Murakami, Physical Review Letters 86, 5589-5592 (2001), Fig. 1 left,
©2001 American Physical Society ]
画像ファイルの出典
BL評価レポート
ページ
29
測定手法
磁気コンプトン散乱測定は、コンプトン散乱断面積が円偏光入射したときに円偏光方向と電子スピンの方向に依存する項を含んでいることを利用しています。実験では、円偏光X線を入射し、試料に磁場をかけた状態でコンプトン散乱したX線のエネルギープロファイルを測定します。磁場の向きを反転した2本のプロファイルを測定し、その差分を取ったものを磁気コンプトンプロファイル Jmag(pz) と呼び、1次元に射影された磁性電子運動量密度分布をあらわします。磁気コンプトンプロファイルの面積はスピンモーメントの大きさになります。
ここで、n↑(p)、n↓(p) は majority、minority バンドの運動量分布です。
画像ファイルの出典
図なし
測定準備に必要なおおよその時間
4 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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磁気コンプトン散乱スペクトロメーター | 磁気コンプトン散乱測定 | 運動量分解能 0.5 atomic unit |
参考文献
文献名 |
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A. Koizumi, et. al. , Phys. Rev. Lett. 86 (2001) 5589. |
関連する手法
XMCD, PEEM
アンケート
SPring-8だからできた測定。他の施設では不可能もしくは難しい
本ビームラインの主力装置を使っている
同種実験は本ビームラインの課題の30%以上を占めている
測定の難易度
初心者でもOK
データ解析の難易度
中程度
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
10シフト以上