ナビゲーション


高圧・高温条件におけるシリカのパイライト構造への相転移

  • Spring8ならでは

利用事例本文

ダイヤモンドアンヴィルセル(DAC)とレーザー加熱法を利用したX線回折法はその場観察で高圧・高温下での物質状態を調べることのできる強力な手法です。この手法を用いることで、地殻・マントル鉱物及び核を構成する物質の地球内部環境における相状態・結晶構造や密度、相転移等を観測することができます。
図に示すのは、約270GPa・1800Kの環境においたシリカ(SiO2)について測定した結果、新しく発見されたパイライト型シリカの結晶構造とその相図 です。この結果から、Si原子がパイライト型構造をとることによって6+2配位に変化していること、またパイライト型シリカは地球マントル内部には存在せず、むしろ天王星や海王星の核の構成要素である可能性がわかりました(Y. Kuwayama et al., Science, 309(2005)923)。

図 パイライト型シリカの結晶構造と相図

[ Y. Kuwayama, K. Hirose, N. Sata and Y. Ohishi, Science 309, 923-925 (2005), Fig. 3, 4,
©2005 American Association for the Advancement of Science ]

 

学術利用キーワード

A. 試料 無機材料
B. 試料詳細 絶縁体・セラミックス, 結晶, 鉱物・岩石
C. 手法 X線回折
D. 手法の詳細 粉末結晶構造解析
E. 付加的測定条件 マイクロビーム(>10μm), 高圧(DAC), 高温(>>500度)
F. エネルギー領域 X線(4~40 keV)
G. 目的・欲しい情報 結晶構造, 相転移

産業利用キーワード

階層1 半導体, 化学製品, 工業材料
階層2 シリコン系半導体, 触媒, ガラス
階層3 ゲート絶縁膜, 層間絶縁膜, 容量膜
階層4 密度, 結晶構造, 結晶弾性率
階層5 回折

問い合わせ番号

SOL-0000001318

最終変更日 2006-03-30 11:11
カレンダー