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BL17SU 概要

問い合わせ番号

INS-0000000460

ビームラインの概要

    BL17SUは高輝度軟X線アンジュレータ光による先端物質科学に関わる研究を推進するため、各種分光学的手法を用いて研究することを目的としています。様々な物質の電子構造や化学状態を調べるため、吸収分光法、光電子分光法、オージェ電子分光法、軟X線発光分光法、軟X線回折法等が適用されます。前置鏡切り替えによる排他的利用の分岐ビームライン(ブランチA、ブランチB)が整備されております。
   ブランチAには4つの実験ステーション(Ac、A1、A3)があり、Acステーションは出射スリットの直下流部で、非集光ビーム(~300 µmΦ)が利用可能なユーザー持ち込みエリアとなっています。現状ではスライドレールに載った気相標的用光電子分光装置の他、ガスクラスターイオン銃(GCIB)と組み合わせた汎用吸収分光測定装置が設置されています。A1ステーションでは、先端物質材料の電子構造を観察するための光電子分光実験装置が設置されています。A3ステーションでは、これまで軟X線発光分光法による固体および液体試料の電子構造研究が行われてきましたが、2020年後期より走査型軟X線顕微鏡に置き換わりました。低真空あるいはHe大気圧下において、サブミクロンに集光した軟X線ビームを用いた顕微分光実験を実施することが可能です。
   一方のブランチBには現在3つの実験ステーション(B1、Bc、B2)があります。B1ステーションには、長周期的な構造を持つ秩序物質の電子構造を調べるための軟X線回折実験装置が設置されております。またBcステーションは、集光ビームが使えるユーザー持ち込みエリアになっています。Bcステーションには、現在は、汎用型光電子顕微鏡(PEEM)が設置されています。外場印加状態や時間分解測定など、特殊な条件における観察に柔軟に対応できる装置となっています。最下流のB2ステーションには角度分解光電子分光実験装置が設置され、各種最先端物質材料の電子状態やバンド構造の可視化を目指した研究を展開することが可能となっています。
   現在のところ、共同利用に公開している装置はブランチAの走査型軟X線分光顕微鏡とブランチBの汎用型PEEMのみで、それ以外の装置は供用対象外となっています。

研究分野

<ブランチA>

  • 気相標的の軟X線吸収・電子分光観察による原子分子科学研究 --- Acステーション
  • ガスクレスターイオン銃と組み合わせた固体標的電子状態観察(深さ方向依存性)--- Acステーション
  • 光電子分光による電子状態およびバンド構造の研究 --- A1ステーション
  • 低真空~He大気圧下における試料表面の顕微分光観察 --- A3ステーション

<ブランチB>

  • 長周期秩序物質の電子構造研究 --- B1ステーション
  • 汎用型光電子顕微鏡による電子/磁気状態イメージング及びその時分割観察 --- Bcステーション
  • 角度分解光電子分光法による先端物質材料の電子状態およびバンド構造の可視化 --- B2ステーション

キーワード

  • 科学的分野
    物質科学, 表面/界面, 原子分子科学, 電子状態, 磁気状態, 磁気ダイナミクス
  • 装置
    可変偏向アンジュレーター, 不等間隔刻線回折格子分光器, 気相標的用電子分光実験装置, ガスクラスターイオン銃, 固体試料用光電子分光実験装置, 走査型軟X線顕微鏡, 軟X線チョッパー, 軟X線回折実験装置, 汎用型光電子顕微鏡, 角度分解光電子分光実験装置, パルスレーザー

光源と光学系

  • 光源

      新規挿入光源のヘリカル8アンジュレータが2022B期より利用可能となる予定です。水平・垂直・左右円偏光が高い偏光度で利用可能となります。

  • 光学系

      下図 top view に示されるように、光学ハッチ内に設置された集光鏡(M0a、M1a)の挿入/退避により A、B各ブランチを排他的に選択することができます。いずれのブランチにも、球面鏡(M21a~M23a、M21b&M22b)と不等間隔刻線回折格子(G1a&G2a、G1b&G2b)を擁するビームライン分光器(VLSPGM)が設置されています。また、A1とA2、B1、Bc、B2の各実験ステーションでは試料位置にビームを集光する後置集光鏡がそれぞれ設置されています。後置鏡のある各実験ステーションでは、試料上でのビームスポットは概ね 30 µm(H)×10 µm(V)程度の大きさとなっています。

  • BL17SU光学系の模式図
    BL17SU光学系の模式図
    BL17SU光学系の模式図
    • 試料位置でのX線

      エネルギー範囲 225 ~ 2,200 eV*(*各偏光とも強度は弱いけど、~3,000eVまで利用可能)
      水平・垂直・左右円偏光 225 eV:左右円偏光、272 eV:水平偏光、136 eV:垂直偏光
      光子束 > 1011 photon/s
      ビームサイズ@試料位置 約30 µm(H) × 4 µm(V)
      エネルギー分解能 E/dE ~ 10,000

文献検索 

BL17SU PUBLICATION SEARCH

 

連絡先

(注)e-mailアドレスは@マーク以下を省略していますので、アカウントの後に@spring8.or.jpを付けてください。

大浦 正樹
理化学研究所 放射光科学研究センター
〒679-5148 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
Phone : 0791-58-2933
FAX : 0791-58-2934
e-mail : oura

伊奈 稔哲
(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
Phone : 0791-58-0833
FAX : 0791-58-0830
e-mail : t.ina

山神 光平
(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
Phone : 0791-58-0833
FAX : 0791-58-0830
e-mail : kohei.yamagami

最終変更日 2024-10-18 14:21
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