光電子顕微鏡によるハードディスク記録磁区の観察
問い合わせ番号
SOL-0000001508
ビームライン
BL25SU(軟X線固体分光)
学術利用キーワード
A. 試料 | 無機材料, 計測法、装置に関する研究 |
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B. 試料詳細 | 金属・合金, 磁性体, 膜 |
C. 手法 | 吸収、及びその二次過程 |
D. 手法の詳細 | MCD, LD, 光電子顕微鏡 |
E. 付加的測定条件 | 偏光(円、楕円), 高分解能画像計測(顕微鏡), 超高真空, 表面, 室温 |
F. エネルギー領域 | 軟X線(<2 keV) |
G. 目的・欲しい情報 | スピン・磁性構造 |
産業利用キーワード
階層1 | 記憶装置 |
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階層2 | HD、MO |
階層3 | 磁性層 |
階層4 | 磁化 |
階層5 | XMCD, 磁気散乱, 磁気コンプトン散乱, PEEM, PEEM, イメージング |
分類
A30.20 表面界面物性, A80.14 磁性材料, A80.30 無機材料, M40.30 磁気吸収, M40.40 軟X線分光, M50.20 光電子顕微鏡(PEEM)
利用事例本文
光電子顕微鏡(PEEM)は光照射によって放出される二次電子強度の2次元分布を調べることのできるユニークな手法です。この手法を用いることで、物質表面の元素濃度、化学結合状態の分布や元素別の磁区コントラストを測定することができます。走査型電子顕微鏡(SEM)と異なり、CCDを用いて像をほぼリアルタイムで取得でき、また、試料へのダメージも少ない特徴があります。また、放射光と組み合わせることで共鳴吸収を利用した元素濃度コントラストが得られるほか、磁気円二色性のコントラストは元素別磁区像となります。図に示すのは、市販のハードディスクドライブのディスクについて測定したCo L2,3吸収端の磁気円二色性コントラストです。この結果はPEEMを用いた磁区観察のデモンストレーションデータです。このHDDは3.5インチ, 250MBの容量を持ち、トラック約10ミクロンで記録されています。
画像ファイルの出典
私信等、その他
詳細
2005 Summer School at SPring-8
測定手法
BL25SUに設置されているPEEMPECTORを用いました。Co L3吸収端において左回り円偏光と右回り円偏光に対するPEEM像を取得し、2枚の画像を差し引くことでCo の元素別磁区を得ました。
画像ファイルの出典
BL評価レポート
ページ
56
測定準備に必要なおおよその時間
12 時間
測定装置
装置名 | 目的 | 性能 |
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光電子顕微鏡 | 元素別磁区像の取得 | 分解能 35 - 100 nm |
参考文献
関連する手法
走査型電子顕微鏡(SEM), 磁気力顕微鏡(MFM), Kerr顕微鏡, X線磁気円二色性(XMCD)
アンケート
最近2年以内に導入した装置を使った事例
測定の難易度
初心者でもOK
データ解析の難易度
初心者でもOK
図に示した全てのデータを取るのにかかったシフト数
2~3シフト