BL39XU X線発光分光装置
問い合わせ番号
INS-0000001618
X線発光分光器
BL39XUでは、X線発光分光(XES)測定のための分光器が整備されています。XES 測定は、試料からの蛍光X線を分光結晶を用いて高エネルギー分解能(< 1 eV)で分光する手法です。分光エネルギーを固定(通常は蛍光X線のピークに固定)し、入射エネルギーを掃引することによって得られるX線吸収(XAS)スペクトル(HERFD-XAS)は、通常のXASよりもエネルギー分解能が高く、スペクトルの微細構造の観測や微小変化の観測が可能となっています。
一方,XESは二次光学過程のためその強度は微弱で、その弱点を補うために、BL39XUでは分光結晶を最大15個利用可能な高感度型XES装置が設置されています(図1、表1)。また、分光結晶によるBragg反射を利用するため、分光結晶の反射面に対して測定可能なエネルギー範囲に制限がありますが、BL39XUでは比較的広いエネルギー領域をカバーするように多くの種類の分光結晶を整備しています(図2)。現状、最大15個を利用可能な分光結晶の種類は、Ge 111とGe 220に制限されていますが、今後、順次整備していく予定です。
- 表1. X線発光分光器の主なスペック
方式 ローランドマウント型 ローランド径 820 mm 利用可能エネルギー 4.42-18 keV 検出器 PILATUS 100K (Si) / Pixirad-2 (CdTe) / SOPHIAS-L (Si) アナライザー結晶数 最大 15 (5 結晶 x 3 タワー) アナライザー結晶の種類 図2参照 室温環境 並進 XYZ - 回転 θχ軸 低温環境 ヘリウムフロー冷凍機 (11-330 K) / パルスチューブ冷凍機 (3-300 K) (並進 XZ 軸) 高圧環境 A.P.-100 GPa (室温), A.P.-40 GPa (低温) 試料空間 ~φ100 mm
図1. X線発光分光器
図2. 利用可能な分光結晶。( )内の数字は分光結晶の数量を表しています。また、紫色の領域は利用不可能なエネルギー領域を表しています。
最終変更日
2024-07-02 16:06