利用研究例

Coナノドットの軟X線磁気円二色性

自己組織形成によるナノ磁性体規則配列は高密度磁気記憶媒体や磁気抵抗デバイスなどに応用が期待されています。左下図は周期7nm、 2原子層厚さのコバルトドット正方配列です。BL25SUにおける軟X線磁気円二色性測定では、通常の磁化測定装置が苦手とするこのような 表面ナノ磁性体の磁化状態分析を行うことができます。右下図はコバルトナノドットにおける磁気円二色性スペクトルの一例です。


2次元層状結晶FexNbS2の角度分解光電子分光

角度分解光電子分光によって固体中電子のエネルギーバンドの運動量分散を調べることができます。また同時に、物性の起源の解明に 有力な情報となるフェルミ面構造を調べることにもなります。図に実際にBL25SUで行われたFexNbS2における角度分解光電子分光実験の 測定結果を示します。FexNbS2はNbS2の層状結晶構造の層間にFe原子が制御された濃度で挿入されたナノ物質です。この実験ではFeの 濃度依存性が、フェルミエネルギー(結合エネルギー=0)直下のバンド構造に顕著に観測されました。


主な測定装置

  • ビームライン…250evから2000eV、左右円偏光切り換え可能
  • 固体光電子分光ステーション
  • 磁気円二色性ステーション
  • 光電子顕微鏡ステーション