利用研究例

有機分子内包カーボンナノチューブの構造

ナノチューブ特有の内部空間を積極的に活用して、新しい機能性を持たせる研究が精力的に行われています。有機分子を内包したナノチューブもそのひとつで、ナノチューブを流れるキャリアを制御する方法として注目されています。BL02B2で得られたX線回折データを解析することにより得られた構造(下図)から、挿入された内部の有機分子からナノチューブへ電子の移動が起こることにより、ナノチューブ上の電気の流れを精度よく制御できることが明らかになりました。


有機分子内包カーボンナノチューブの構造

多孔性材料は燃料の安定な大量吸蔵やCO2など温暖化ガスの選択的吸着、有害物質の分離といった応用が考えられ、次世代の素材として大きな期待が寄せられています。BL02B2では、各種のガスを吸着させながら粉末X線回折測定を行うことにより、吸着構造を明らかにする研究が行われています。下図はBL02B2のX線回折データから求められたナノ細孔物質に酸素を吸着させた試料の構造模式図で、赤で示された酸素分子が規則正しく一列に並んでいることがわかりました。


主な測定装置

  • 大型デバイシュエラーカメラ
  • 高温窒素吹き付け装置
  • 低音窒素吹き付け装置
  • 低音クライオスタット