利用研究例

X線を利用した電極/溶液界面のその場構造解析

本ビームラインでは、多軸回折計と電気化学測定装置を一元的に制御することで、電気化学条件を制御しながら、電極/溶液界面のその場X線構造解析を行うことが可能です。例えば、電極電位を変化させながら、電流値とX線回折強度を測定し、サイクリックボルタモグラム測定と、各電位での電極/溶液界面の構造解析を同時に行うことができます。また、マルチチャンネルアナライザを利用した時間分解測定も可能であり、ポテンシャルステップ後の電極/溶液界面構造の緩和過程を追跡することができます。


Bi UPD層形成過程の追跡

下図は、Au(111)上でのBiのアンダーポテンシャル電析(UPD)過程を、表面X線回折法により追跡した結果を示しています。上図(a)はサイクリックボルタモグラム(CV)、下図(b)はBi(2×2)構造からのX線回折強度を示しています。これまでのSTM測定では、Biは (2×2)と(p× 3)構造を形成することが確認されましたが、電極電位との関係については、詳しく調べることができませんでした。これらの結果から、(2×2)構造とCVの関係が明らかになり、UPD過程でBi層がどのような振る舞いをしているかを明らかにすることができました。


主な測定装置

  • 多軸回折計…X線反射率測定、表面X線回折実験
  • 電気化学測定装置…電流-電位測定、ポテンシャルステップ測定