SPring-8利用者懇談会研究会

研究会の名称

表界面・薄膜ナノ構造研究会 / Nanostructure of Surface, Interface, and Thin film

代表者、副代表者

代表者
氏名 高橋 功 / Isao Takahashi
所属 関西学院大学理工学部 / Faculty of Science and Technology, Kwansei Gakuin Univ.
連絡先 z96019( at )kwansei.ac.jp

副代表者
氏名 坂田 修身 / Osami Sakata
所属 (財)高輝度光科学研究センター / Japan Synchrotron Radiation Research Institute
連絡先 o-sakata( at )spring8.or.jp

研究会の活動目標・目的

 表界面・薄膜ナノ構造研究会では「表面・界面・薄膜中に存在するナノ構造と表面界面物性との関連」の研究に伴って生じる種々の実験・解析上の問題点の解明と克服に関しての第1期、第2期研究会でなされた成果を踏まえて、今後2年間で以下の問題点についての議論と研究を行うことで、表面物質構造科学分野の確立と産学官を越えた共同研究組織の構築を実現し、環境共生型で持続可能な未来社会の実現に貢献したい。

I.マテリアル・測定条件の多様化への対応
(1)集光ビームの利用促進
 (i)第2期までの段階で1ミクロン角の微小ビームを実現し、微小試料からのX線回折測定に利用できるようになった。第3期では大きな試料の一部の結晶ドメインだけにX線を照射することで見かけ上結晶性の劣っている試料による動力学的回折効果の検出を可能にしたい。
 (ii)第2期の段階では1mm角の入射ビームのうち0.1mm角のみを用い1ミクロン角に集光していたため、80%もの強度を実際には使っていなかった。新たに1 mm角のビームを0.1mm角に集光したビームを利用できるようにすることで、迅速測定を実現する。

(2)時分割測定の展開
 (i) 第2期における整備ではナノ秒オーダーの時分割測定システムを整備し、放射光との非同期モードでの測定が実現された。今期は同期モードの測定も可能になるようにさらに改良を加える。
 (ii) ミリ秒から秒の時間スケールで表界面で起こる構造変化を2次元検出器を用いて追跡できるような環境を整備する。

(3)試料の機能と関係した外場環境の選択肢の増加
 (i)試料温度と電場の制御は既に可能であるが、さらにガス雰囲気の制御や磁場制御を可能にすることで、試料の機能、物性と表界面・薄膜構造との相関をin-situで調べられるようにする。

II.産業界の動向を見据えての重点研究分野の設定と、次代を担う若手人材のシステマチックな育成
 (1) 上記の目標I.(1)〜(3)に掲げた項目内のニーズの調査と優先順位の確定をはかる。
 (2) さらなる情報発信&啓発活動を行う。


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