世界に先駆けてリチウムイオンの“見える化”技術を電池開発に導入 ~高信頼・長寿命かつ軽量なリチウムイオン電池を開発~(プレスリリース)
- 公開日
- 2013年03月26日
- BL16B2(サンビームBM)
2013年3月26日
日立マクセル株式会社
日立マクセル株式会社(取締役社長:千歳 喜弘、以下マクセル)は、世界に先駆けて*1電池断面のリアルタイム観察技術を電池開発に導入し、充放電最中のリチウムイオンの“見える化”技術を確立しました。この技術により、高エネルギー密度の材料を用いて、信頼性や寿命を確保することができるようになり、単位エネルギー密度あたりの重量40%減*2、単位体積当たりのエネルギー密度1.6倍*2、寿命10年以上相当*3の高信頼・長寿命かつ軽量なリチウムイオン電池を開発しました。 |
リアルタイム断面反応観察を用いた電池設計技術の特長
1. 電池反応の瞬間を捉えることに成功
従来の断面測定は、電極を電池の外へ取り出して測定する必要があり、充放電最中の本当の反応分布を捉えることが困難でした。今回、リアルタイム断面観察を行うことで、充放電最中にリチウムイオンと負極の反応が偏る瞬間をとらえることに成功しました。
2. デンドライト発生の危険度を早期に予測
リチウムイオン電池の負極では、一か所にリチウムイオンが集中すると、デンドライト発生の危険度が増すことを突き止めました。リチウムイオンと負極の反応の偏りを直接観察することで、危険度を一目で判断できる、スピーディな開発が可能となりました。
3. 電池構造の改善によりリチウムイオンの流れをスムーズに
リチウムイオンの流れが停滞すれば、それが「抵抗」となって電池容量の低下を招きます。正極も含めた電池全体のリチウムイオンの流れを可視化することで、問題となる流れの停滞箇所を特定することが可能となりました。三次元シミュレーションを駆使して改善点を絞り込むことで、集中的な対策と無駄のない電池設計を行い、電池全体のリチウムイオンの流れをスムーズに改善しました。
高信頼・長寿命リチウムイオン電池の特長
1. 10年後でも200Wh/Lの高信頼・長寿命
リチウムイオンの流れをスムーズにする電池構造とすることで、高エネルギー材料を用いた電池の劣化を抑制し、5000回の充放電後でも、およそ200Wh/Lのエネルギー密度の確保が可能となります。
2. 40%の軽量、省スペース化
高エネルギー密度材料が使用可能となることで、同じ電力量を必要とする電池が40%軽く*2できます。同様に、単位体積あたり1.6倍*2の電力を蓄えることができるため、電池のサイズも小さくできるようになり、40%の省スペース化*2が可能となります。
*2 マクセルの従来ラミネート型リチウムイオン電池との比較。マクセル調べ。
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