利用研究例

高エネルギー内殻光電子分光

本ビームラインによって発生が可能になった、1〜20keV以上の高輝度高平行度高単色度光の実現、および設置されている大型角度分解光電子分光装置の稼働により、特に高分解能で高エネルギー励起光電子分光実験を可能としました。本装置の光源に対する測定ジオメトリーの高い自由度により、全反射を含む角度分解光電子分光の実験も可能です。
高エネルギー励起でかつ測定対象にあわせた励起エネルギーを選択できるため、ナノマテリアル研究で重要な重元素の状態分析に威力を発揮します。また、妨害線の少ない高感度な励起条件を自由に選択できます。さらに、光電子の運動エネルギーを高く設定する事も可能であるため、表面汚染の影響が従来測定より少なく、特にスパッタクリーニング等の困難な試料の分析に適しています。



主な測定装置

  • 大型角度分解光電子分光装置(DAPHNIA)
    放射光入射角…試料面法線に対して0〜90度
    光電子取り出し角…入射X線方向に対して0°〜135°
    retarding voltage…0〜4.8kV アルゴンイオンによるスパッタクリーニング可能
  • [第二実験ハッチ内への持ち込み装置設置条件]ICF152による直接接続(超高真空)、ビーム高さ−床面より1500mm